この記事では、ピンクカビの成長の仕組み、落とすための洗浄剤、掃除のコツ、そして発生を防ぐ方法をご紹介します。
浴室のピンクカビでお悩みの方は、是非読んで下さい。
1.浴室のピンクカビとは
1-1.ピンクカビの性質
ピンクカビ、または赤カビとも呼ばれるこのカビは、湿度の高い環境、特に浴室で成長しやすい性質を持っています。
赤やピンク色をしており、少しのぬめりを伴うことがあります。
正式には「ロドトルラ」という酵母菌に分類され、根深い黒カビとは異なり、表面上に生息するため、スポンジでこすれば比較的容易に取り除けます。
1-2.ピンクカビの原因
湿度が高く温暖な浴室は、ピンクカビにとって最適な環境です。
黒カビが石鹸の残りかすや皮脂を栄養源として成長するのに対し、ピンクカビは水分のみで成長します。
掃除しても、わずかな時間で再び成長を始めることが多く、これが浴室で発生する原因です。
1-3.ピンクカビの繫殖しやすい場所
ピンクカビが特に繫殖しやすいのは、浴室の壁や床、水が溜まりやすい場所全般です。
タイルの隙間や排水口など、湿気が残りやすい場所は特に注意が必要です。
浴槽やシャワーの椅子、石鹸置きやシャンプーボトルの底なども、ピンクカビが繁殖しやすい場所として知られています。
2.浴室のピンクカビと黒カビ
浴室内で見かけるカビには、ピンクカビのほかに黒カビも存在します。
黒カビは「クラドスポリウム」という学名で知られ、酵母菌に分類されるピンクカビとは異なる特性を持ちます。
ピンクカビが比較的簡単に取り除けるのに対し、黒カビやゴムパッキンなどに深く侵入し、特殊な洗剤を用いなけれ落とすのが難しいです。
黒カビやピンクカビは、石鹸残りや皮脂などを栄養源として成長することがあります。
そのため、黒カビの増殖を抑えるためにも、ピンクカビを落とすことが重要です。
3.ピンクカビの掃除方法
3-1.重曹の活用
ピンクカビは酸性の特性を持つため、対照的なアルカリ性の重曹を使用することで、効果的に落とすことができます。
水に溶けにくい性質を持ち、研磨作用に優れた重曹は、粉末状のままピンクカビが生えている箇所に塗って擦り洗いするのに最適です。
ピンクカビが見られる箇所を濡らしてから、その上に直接重曹を振りかけます。
その後、15分から30分程度放置した上で、スポンジや歯ブラシ等を用いてやさしく擦り、汚れを取り除きます。
最後に、水でしっかりと洗い流します。
重曹を直接塗れない天井や壁などの場合は、水で重曹をペースト状にして使用すると、より塗りやすくなります。
また、水を含ませたスポンジに重曹を振りかけて使用する方法も効果的です。
3-2.アルカリ電解水の活用
アルカリ電解水は、酸性の汚れを効果的に分解する性質を持つため、ピンクカビの掃除に適しています。
重曹と比較しても洗浄力が高く、溶かす手間も不要で、掃除作業をより簡単にします。
界面活性剤を含まないアルカリ電解水を使用する場合、掃除後に洗剤の残留物を心配する必要がなく、洗い流しや拭き取りの作業を省略できます。
これにより、時間と労力の節約にも繋がり、効率的な掃除が可能となります。
3-3.セスキ炭酸ソーダの活用
重曹と同様にアルカリ性のセスキ炭酸ソーダは、ピンクカビを取り除くのに非常に有効です。
重曹と比較して、そのアルカリ度が高いため、より強力に汚れを落とすことができます。
セスキ炭酸ソーダ5gを水500mlと混合し、その溶液をスプレーボトルに入れます。
この溶液をピンクカビのついた部分に直接スプレーし、2~3分間放置します。
その後、スポンジやブラシを使って擦り洗いし、最後に水で洗い流すことで、ピンクカビを効果的に落とせます。
3-4.塩素系漂白剤の使用
浴室の頑固なピンクカビに対しては、塩素系漂白剤の使用が効果的です。
ピンクカビに直接塩素系漂白剤を塗り、しばらく放置する方法が一般的です。
塗った部分をキッチンペーパーで覆うことで、さらに効果が上がります。
3-5.酸素系漂白剤の使用
塩素系漂白剤の使用に抵抗がある場合、酸素系漂白剤はピンクカビの掃除に適した代替品です。
酸素系漂白剤は、床の全体掃除や、浴槽にお湯を溜めてバス用品を一緒に洗うといった用途に広く使用できます。
3-6.エタノールを使用した掃除
エタノールはピンクカビ落とし、除菌もできるため、浴室の掃除に効果的な選択です。
消毒用エタノール、キッチンペーパー、使い古した歯ブラシを用意します。
まず、エタノールをキッチンペーパーにスプレーし、ピンクカビがついた箇所に密着させてください。
約10分間そのままにしておいた後、キッチンペーパーを取り除き、歯ブラシで擦ります。
水でしっかりと洗い流し、完全に乾燥させます。
4.ピンクカビ発生の予防
4-1.効率的な換気
ピンクカビは、お風呂使用後の温暖かつ湿度の高い環境を好むため、換気が予防には欠かせません。
お風呂使用後は、窓の開放や換気扇を長時間動かし、室内の湿度を下げることがおすすめです。
可能であれば、24時間換気システムの利用が理想的です。
4-2.水分を残さない
ピンクカビはわずかな水分でも成長するため、お風呂使用後は水分を残さないことが重要です。
浴室の壁や床、そして細部にわたるゴムパッキンなども、タオルで丁寧に拭き取ることが予防策の一つです。
ピンクカビが特に発生しやすい場所、例えば風呂桶や椅子、シャンプーボトルの底部なども、使用後に水気をしっかりと拭き取ることが必要です。
4-3.高温のお湯を利用する
浴室の掃除後や使用後に、50度以上のお湯をシャワーを流すことは、ピンクカビの予防に有効です。
ピンクカビが好む温度範囲は25~30度程度です、50度を超えるお湯をかけると死滅します。
お湯は水に比べて乾燥しやすいため、高温のお湯を使用することで湿度を抑え、ピンクカビの繁殖を防ぐことができます。
4-4.定期的な重曹スプレー
ピンクカビ予防には、定期的に重曹水を吹きかけることもおすすめです。
重曹には、掃除時だけでなく予防効果もあるため、特にピンクカビが生えやすい場所には重曹水のスプレーが効果的です。
掃除後に浴室をよく乾燥させ、その後重曹水をスプレーすることで、ピンクカビの繁殖を予防できます。
4-5.小物の配置を工夫
浴室内でのピンクカビ予防には、バス用品や小物の置き方を見直すことも役立ちます。
シャンプーボトルなどは、底部に水が溜まりやすく、ピンクカビの発生源となりがちです。
これらのアイテムをぶら下げるか、水切れの良いカゴに入れておくことで、ピンクカビの発生リスクを減らすことができます。
5.浴室のカビを予防するアイテム
5-1.カビ予防テープ
浴槽の周りや浴室のドアの隙間など、カビが生えやすい箇所に貼ります。
貼るだけで防カビ効果が期待でき、掃除が容易になります。
5-2.防カビ剤
置くだけタイプ
手軽に使用でき、数ヶ月間防カビ効果が持続します。
定期的なメンテナンスが難しい場所に最適です。
スプレータイプ
カビが生えやすい特定の箇所に直接使用が可能です。
ゴムパッキン、排水口、蛇口など、特にカビが発生しやすい場所に最適です。
貼るタイプ
天井や壁などに貼り、カビの原因となる菌を抑制します。
エアゾールタイプ
ワンプッシュで使用でき、煙や臭いが少ないです。
煙や臭いを避けたい場所での使用に適しています。
くん煙タイプ
煙を使ってよくしつ全体の殺菌・防カビを行います。
手が届きにくい場所にも効果を発揮し、定期的な使用で持続的な防カビ効果が期待できます。
これらのアイテムを使用することで、浴室のカビ予防に大きな効果を発揮し、お掃除の手間を軽減することができます。
まとめ
ピンクカビは湿度の高い環境を好むため、浴室はピンクカビが生えやすい最適な場所です。
重曹やアルカリ電解水、セスキ炭酸ソーダ、塩素系や酸素系漂白剤など、効果的な掃除用品を使うことで、ピンクカビを簡単に落とすことができます。
また、定期的な換気、水分の排除、高温のお湯を使う、重曹水の使用、さらにはカビ予防テープや防カビ剤など、様々な予防策を講じることでピンクカビの発生を大幅に減らすことができます。