畳にカビが生えたときの対策は?原因とカビの種類に適した掃除方法を紹介!

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畳の素材が繊細で、加えて住宅の高い断熱性と気密性が、カビの成長を助長することがあります。

この記事では、畳にカビが生えた際の具体的な対策と、カビの種類に適した掃除方法、および注意すべき点を紹介します。

畳のカビに悩んでいる方や、予防を考えている方に役立つ情報を提供します。

1.畳にカビが生える原因

1-1.湿度が高く温かい環境

室内の温度が20~30度で、湿度が75%を超えるような湿度が高く温かい環境は、畳にカビが生えやすくなります。

特に換気が行き届かず、湿度が高くなりがちな室内は、カビの発生リスクが高まります。

梅雨時には、温度も湿度も高い状態が続くため、注意が必要です。

家を長時間閉め切ることが多い、または風通しを妨げる家具が多い部屋では、カビが生えやすくなります。

1-2.布団の使用

睡眠中に人が発する汗が布団に吸収され、畳に湿気として残ることでカビが生えやすくなります。

定期的に布団を片付けましょう。

1-3.イ草の湿気吸収能力

畳に用いられるイ草は、多数の微細な穴を通じて空気中の湿気を吸収する特性を持っています。

しかし、高い湿度が続くと、イ草の吸収能力を超えてしまい、カビが生えやすくなります。

イ草が湿気をより多く吸収するのは畳が新しい時であり、新しい畳の場合は特に注意が必要です。

2.畳に生えるカビの種類とその特性

2-1.緑カビ

緑カビ、または「ツチアオカビ」とも呼ばれるカビは、パンやお餅にも見られます。

緑カビは本来、土壌に生息し落ち葉や木材などを分解する役割を果たしますが、室内に入り畳や衣類に付着することがあります。

緑カビは比較的軽度のカビで、掃除が簡単ですが、木材などに広がるとその素材を腐らせる可能性があるため、注意が必要です。

2-2.白カビ

白カビは、白くてふわふわした外見が特徴で、緑カビの仲間であり、さまざまな場所に発生します。

このカビは非常に軽いため、空中を漂って多くの物に付着します。

白カビは、放置すると家具や建築材料にダメージを与えたり、ダニなどの害虫を引き寄せる原因になるため、注意が必要です。

畳だけでなく、靴箱や観葉植物、クローゼットなどでもよく見られます。

2-3.黒カビ

家の中で特にお風呂場や窓枠に多い黒カビは、「クラドスポリウム」と呼ばれ、畳にも生えることがあります。

黒カビは、根を深く張り、生息することが特徴で、他のカビ種に比べて落とすのが大変です。

3.畳のカビ取り方法

3-1. 緑カビ・白カビ

必要なもの

70~80%のエタノールまたは無水エタノールと水を8:2で混ぜた溶液(またはお酢)

空のスプレーボトル

ゴム手袋

雑巾

マスク

掃除手順

部屋の換気を行い、カビの胞子を外へ追い出します。

エタノール溶液またはお酢をスプレーボトルに入れ、カビに直接吹きかけ、20分放置します。

畳の目に沿って雑巾で拭き取ります。

最終的に部屋をよく乾燥させます。

3-2. 黒カビ

必要なもの

70~80%のエタノールまたは無水エタノールと水を8:2で混ぜた溶液(またはお酢)

重曹

歯ブラシ(または綿棒)

空のスプレーボトル

ゴム手袋

雑巾

マスク

掃除手順

窓を開けて部屋を換気します。

黒カビに重曹を直接振りかけ、上からエタノール溶液を吹きかけます。

歯ブラシで畳の目に沿って黒カビをこすり、取り除きます。

再度スプレーしてから、仕上げに雑巾で拭き上げます。

最後に部屋をしっかり乾燥させます。

黒カビを取り除く際には、畳が変色したり傷ついたりしないように注意してください。

特に重曹は畳に直接使用する場合、ピンポイントで適用し、畳を傷めないように優しく扱いましょう。

4.畳のカビ取り作業の注意点

4-1. 水拭きを避ける

畳のカビ取りにおいては、水拭きは避けるべきです。

水を使用すると、湿気が増しカビの繁殖を促進させる可能性があります。

畳のイ草は水分に敏感であり、濡れた状態での強いこすり洗いは、畳を痛める原因となります。

カビ取りや掃除の際は、エタノールなどの水分を含まない掃除用品を使用し、畳に水分が残らないようにしてください。

どうしても水拭きが必要な場合は、できるだけ水分を絞った雑巾を使い、作業後は畳が完全に乾くまで十分に乾燥させることが重要です。

4-2. 叩いてはいけない

畳のカビ取り作業では、カビが付着している箇所を叩くことは避けてください。

カビを叩くと、その胞子が空中に舞い上がり、部屋の中に広がってしまいます。

また、叩くことでカビの胞子が畳の目の奥深くまで入り込む恐れがあります。

そのため、カビ取りは慎重に、叩かずに進めることが重要です。

4-3. 重曹の使用を慎重に

重曹は自然な掃除剤として知られていますが、畳には慎重に使用する必要があります。

重曹のアルカリ性が畳のイ草に反応し、変色をする恐れがあります。

そのため、重曹は重度の黒カビ対策として限定的に使用し、他のカビ(緑カビや白カビ)の掃除にはエタノールを使用することをお薦めします。

畳の材質を考慮した掃除方法を選択し、畳が傷まないように注意しましょう。

5.畳のカビの予防方法

5-1. 定期的な換気

定期的な換気はカビ予防に非常に有効です。

使わない部屋も含め、日々の換気を心がけましょう。

風通しを良くするためには、1時間ほど窓を開けると良いでしょう。

サーキュレーターや扇風機を使用することで、より効率的に換気できます。

5-2. エアコンの除湿機能の利用

エアコンで除湿することで、畳の湿気を取ることがきます。

夏場や冬場だけでなく、春や秋にも定期的に除湿機能を使用することをお薦めします。

サーキュレーターや扇風機と併用すると、さらに効果的です。

5-3. 洗濯物の室内干しを避ける

畳の部屋で洗濯物を干すことは避け、部屋干しは他の部屋で行いましょう。

洗濯物からの湿気は畳にカビが生える原因となります。

5-4. 定期的な掃除

定期的な掃除は、カビの予防に役立ちます。

掃除機をかける際は、畳の目に沿って優しくかけることが大切です。

5-5. お酢の活用

お酢には殺菌効果があり、カビの予防に効果的です。

畳を掃除機で掃除した後、お酢を薄めた水をスプレーし、乾拭きすることで、カビの予防と消臭が可能です。

お酢の代わりにクエン酸水を使用することも有効ですが、新品の畳に使用する際は変色に注意してください。

まとめ

カビが畳に生えた時は、カビの種類を特定し、適切な掃除をすることが重要です。

定期的な換気、エアコンの除湿の利用、洗濯物の部屋干しを避けることでカビが生えるのを予防しましょう。

布団は定期的に干して湿気を取り除き、畳の上に長時間放置しないようにしましょう。

これらに気をつけることで、カビを効果的に防ぐことができます。